自分でペットの遺骨をパウダー状に?ペット粉骨に必要な道具と流れ

ペットの遺骨を長く保管したり、自然に還りやすくするために、供養の1つとして粉骨を行う場合があります。

カノンをはじめ、粉骨専門の業者に依頼をすると少なからず費用もかかります、また、近くに依頼できる業者がなければ郵送の必要がありますが、大切なペットちゃんの遺骨を郵送する心配があったり、愛するペットちゃんの供養は自分の手で・・・と思う方は、「自分でできないかな?」とお考えになってこのページにたどり着いたのではないかなと思います。

結論から申しますと、ペットちゃんのご遺骨を自分で粉骨することは可能ですが、道具の準備だけではなく、自分で遺骨を砕くことへの心理的な抵抗を解決していく必要があります。

ここでは、ペット粉骨を自分で行う場合の必要な道具や手順などをご紹介いたします。

ペットの遺骨を自分で粉骨する際の基本情報

まずは、ペットの遺骨をなぜ粉骨するのか、その目的や、粉骨をした後どのように扱うのかなど、粉骨に関する基本情報からご紹介いたします。

ペットの遺骨を粉骨する理由とメリット

ペットの遺骨を粉骨するメリットは、まず、粉骨することで遺骨の体積が大幅に減少し、保管スペースを節約することができます。特に、限られたスペースに多くの遺骨を保存したい場合や、将来的に引っ越しを予定している場合にコンパクトに収納できるのは大きな利点です。また、粉骨しておくことで、湿気や外部の環境要因から遺骨を守りやすくなり、長期的に清潔かつ安全に保管することが可能です。

具体的な遺骨の粉骨の目的や背景を下記にまとめました。

粉骨はカビを防止しながら遺骨を長期保管するため

粉骨を行う目的の1つとして、ペットちゃんの遺骨を長期間にわたってカビから守りながら保管することをが挙げられます。「遺骨にカビが生えるの!?」と驚かれる方もいらっしゃいますが、火葬後の遺骨は非常に乾燥していて、適切に扱わないと空気中の湿気を吸い込みやすい状態になっています。そのままの状態で、カビの発生条件が整うことで、遺骨にもカビが生える可能性は十分にあります。

カビの発生を防ぐためには、遺骨を細かく粉状にすることで空気に接する面を減らして保管することが有効です。遺骨をそのままの状態で保管すると、湿気や温度の影響でカビが生えやすくなる可能性がありますが、粉骨することでより小さい容器に保管したり真空パックを行うことで空気に接する面が減り、カビのリスクを低減できます。これにより、長期的に遺骨を清潔かつ安全に保管することが可能です。

遺骨を分骨して供養するため

分骨とは、遺骨を複数の場所に分けて保管したり供養したりすることで、ペットちゃんとの思い出を様々な形で残すことです。例えば、家族の一人一人が遺骨の一部を手元に置きたいと希望する場合や、異なる場所で供養したいと考える場合に粉骨は非常に便利です。また、分骨することで、ペットちゃんが親しんできた場所に遺骨を部分的に散骨することも可能となります。

粉骨によって遺骨を細かくすることにより、分骨の際の取り扱いが容易になり、様々な容器や保管場所に適した形で遺骨を収めることができます。特に手元供養を考えている場合、小さな容器に収めるために粉骨は欠かせない工程となります。さらに、分骨を通じて家族間での絆を深めたり、ペットの思い出を共有することができ、心理的な安らぎを得ることもできます。

このように、粉骨することは単に遺骨を小さくするという技術的な側面だけでなく、個々の供養のニーズに応じた柔軟な対応を可能にする方法でもあります。ペットの生前の思い出を多くの場所で大切にしたいと考える方にとって、粉骨は非常に有効な手段です。分骨によって、ペットの存在を身近に感じ続けることができ、心の平穏を得ることができるでしょう。

海洋散骨や樹木葬など、遺骨を自然に還す準備のため

粉骨は海洋散骨や樹木葬など、遺骨を自然に還すための準備にも適しています。粉状にすることで、遺骨が自然に溶け込みやすくなります。あとから形のある遺骨の状態で他の人が発見して大ごとにならないようにするためにも、散骨のガイドラインとして自然葬をする場合には遺骨を粉骨にすることが推奨されています

自分でペットの遺骨を粉骨することは違法ではない?

最後に、自分で遺骨を粉骨することは、法的に違法ではありません。ただし、粉骨後の遺骨の取り扱い方として、海洋散骨や樹木葬、埋葬を行う際には近辺の環境にも配慮する必要があります。

※ペットちゃんの場合、家族の手で遺骨を土中に埋葬することは違法ではありませんが、故人様の遺骨の場合には、自治体で許可された墓地や樹木葬許可地以外へ遺族が勝手に土中へ埋葬することは法律によって禁じられています。

自分で粉骨をする際に必要な道具一覧

では、具体的にペットちゃんの遺骨を自分で粉骨する際には、どんな道具が必要なのでしょうか。

まずは、遺骨を素手で触れて手の油や水分が遺骨に移ることを防ぐために、ゴム製やビニール製などの手袋を準備しましょう。粉骨の際には細かな遺骨が空気中に舞いますので、マスクもつけると良いと思います。

また、作業をするスペースに飛沫した遺骨を最後に集められるように、作業をする机や台の上には新聞紙などを敷きましょう。

そして、遺骨を細かくするために必須なのが「乳鉢と乳棒」またはコーヒーミルのようなミキサーです。手作業で粉骨をする場合には乳棒と乳鉢が必要です。粉骨をする量にもよりますが、どんぶりくらい大きな乳棒と乳鉢はインターネットやホームセンターなどで2,000円〜3,000円で販売している場合が多いでしょう。手作業で粉骨を行うには、すりこぎの作業に時間がかかります。小鳥やハムスターの遺骨を粉骨にする場合でも、十分に細かな粒子状にするためには15分ほどすりこぎの作業が必要です。

小型犬や猫ちゃんの場合には、乳鉢に入る量を数回に分けて慎重に粉骨を行う必要がありますので、全ての遺骨をパウダー状にするためにはすりこぎの作業は1時間ほどかかるかと思います。

手作業ではなく、コーヒーミルのようなミキサーで粉骨を行う場合もあります。その場合、いくら食品用の電気機器を使ったとしても、粉骨作業後に食品を扱うことは心理的にも衛生的にも抵抗がある場合が多いと思いますので、5,000円前後のコーヒーミルを粉骨専用として購入・使用して、その後機械は処分する方もいらっしゃいます。

粉骨した後の遺骨を集めたり、容器に移すための刷毛やスプーンも準備しましょう。

粉骨後の遺骨を納めておく容器も準備しましょう。一般的な骨壺を準備される方もいらっしゃれば、自然葬を予定している方は紙製の袋などに納める場合もあります。

粉骨後の遺骨はどんな入れ物で保管する?

粉骨後の遺骨を保管する入れ物ですが、今は本当に多種多様の容器が存在します。

有名な焼物や瀬戸物、ステンレス製、チタン製、ガラス製もありますし、海洋散骨や樹木葬を行うための水溶性の袋などもあります。弊社でも、粉骨した遺骨を真空パックにして納められる犬猫のぬいぐるみ型の遺骨入れや、イタリア製の陶器骨壷などもあります。

長期で遺骨を保管することを希望している場合は、まず、遺骨をしっかりと密閉できる容器を選びましょう。密閉性が高いことで、湿気やカビの侵入を防ぎ、遺骨を清潔に保つことができます。具体的には、金属製やガラス製の容器が人気です。これらの素材は密閉性が高く、耐久性もあるため、長期間にわたって遺骨を守ることができます。

また、遺骨を保管する際には、容器のデザインにもこだわりたいですね。いかにも遺骨が入っていることがわかるような容器よりも、家庭内に置く場合は、インテリアに馴染むデザインが好まれます。最近ではシンプルでモダンなデザインの骨壷や、個性を反映したアートなデザインのものも多く販売されています。ペットの思い出を大切にするためにも、自分や家族が心地よく感じるデザインを選びましょう。

さらに、遺骨を移動する可能性がある場合には、持ち運びしやすい軽量で丈夫な容器を選ぶことも考慮に入れるべきです。旅行や引っ越しの際にも安心して持ち運べるように、専用のキャリングケースが付属している製品もあります。

最後に、保管場所についても考えておきましょう。直射日光や湿気が多い場所は避け、涼しく乾燥した場所に保管することが望ましいです。これにより、容器内の環境を安定させ、遺骨をより長く美しい状態で保管することが可能になります。これらのポイントを押さえることで、ペットの遺骨を安心して保管することができるでしょう。

自分でペットの遺骨を粉骨するのにかかる料金は?

自分でペットの遺骨を粉骨するのにかかる料金ですが、前述のような機材を揃えた場合、マスクや手袋、刷毛やスプーンなどは100円ショップなどでも揃えられますが、粉骨にかかる機材や機械、道具は2,000円〜5,000円くらいかかります。その後の容器となる骨壷は数千円から1万円を超えてくるものもありますので、選ぶ骨壺によって料金はかなり左右されますが、総じて5,000円前後+自分自身で行う労力がかかります。

料金的な面で言うと、ペット粉骨を専門業者に依頼するよりも安くは済むかもしれません。しかし、道具の準備や自分で行う心理的な抵抗や手間、使用した機材の処分などを考えると、専門業者に依頼するのも1つの選択肢として考えられることと思います。専門業者の場合、粉骨後の容器も料金の中で準備してくれている場合もありますので、依頼した料金の範囲で最終形態がどのように遺骨を返されるかは、専門業者のホームページや問い合わせで確認しておくと良いでしょう。

また、経験豊富な専門の業者の場合には、粉骨後の遺骨の体積などもよく熟知していますので、粉骨後の遺骨の体積に応じた適切な入れ物や保管方法を料金の中で提案してくれるでしょう。

自宅でのペット粉骨の具体的な方法や手順を解説

自宅でペット粉骨を行う方法です。下記のような手順で粉骨は行います。

まず、作業を始める前に前述したような必要な道具を揃えましょう。新調した道具は使いやすいようにパッケージから開けたり、機械類は通電するかどうかを事前に確かめておきましょう。

作業場所は清潔で広いスペースを確保し、骨の破片や粉が周囲に飛び散らないようにビニールシートや新聞紙を敷いておくと良いでしょう。

次に、遺骨を取り出し、慎重に大きな骨を砕いていきます。すり鉢やミルを使用して、一度にたくさんの骨を砕こうとせず、少量ずつ行うことがポイントです。

粉骨が終わったら、刷毛やスプーンを使用して遺骨を清潔な容器に移し、しっかりと蓋を閉めて保管します。保管場所は、湿気や直射日光を避けた涼しいところが適しています。

粉骨作業中は、ペットの思い出を大切にし、心を込めて作業を進めましょう。もし作業中に不安を感じる場合は、専門の業者に相談し、適切なアドバイスを受けることも検討してください。

やはり困ったら専門の業者へ相談しましょう

自分での粉骨作業に不安を感じたり、手間や時間をかけたくない場合、専門の業者に相談することをおすすめします。業者は経験豊富で、専用の道具や機械を使用するため、手作業よりも精度の高い粉骨が可能です。特に、遺骨を適切に扱ってくれるため、心配なく任せられます。また、業者によっては出張サービスや立ち合いサービスを提供しているところもあり、自宅での作業が難しい場合や、自分の家のペットの遺骨が間違いなく返ってくるかと心配な方にとっても便利です。さらに、粉骨後の遺骨の保管方法についてもアドバイスを受けることができます。

カノンでは遺骨を真空パックにすることが可能です

遺骨を真空パックにすると、遺骨の劣化を防ぎ、湿気やカビから守るために非常に効果的です。真空パックされた遺骨は、長期間にわたり清潔かつ安全に保管できるため、遺族にとって安心です。カノンではこのサービスを提供しており、遺骨をしっかりと保護するための最適な方法をご提案しています。

さらに、真空パックは保管スペースを節約することができるため、限られたスペースで多くの遺骨を管理したい場合にも便利です。また、真空パックされた状態であれば、遺骨の移動や輸送も容易になり、様々なライフスタイルに柔軟に対応できます。自分で粉骨した遺骨をどのように保管するか迷っている場合は、真空パックを考慮に入れることで、より安心して大切なペットの遺骨を手元に置いておくことが可能です。

元の骨壷引き取りをしてもらえる場合も

専門業者に依頼する大きなメリットの1つとして、元々入っていた遺骨の骨壺の引き取りを行ってくれる場合が多いことが挙げられます。火葬後に使用していた骨壺をどのように処分するか悩まれる方は多く、専門業者では元の骨壺を引き取ってくれるところもあります。骨壺を手放す方法までサポートしてくれると安心ですね。

粉骨の費用については業者ごとに異なるため、事前に見積もりを取ることをおすすめします。信頼できる業者を選ぶために、口コミや評判を調べることも重要です。インターネット上のレビューや友人・知人の紹介を参考にすることで、良質なサービスを提供する業者を見つけることができます。業者への依頼は、遺骨に対する敬意を払いつつ、安心して粉骨を進めるための一つの選択肢として検討してみてください。

自分で粉骨するための機械をレンタルしてくれるところも

粉骨を自分で行う際の最大のハードルは、適切な機材を揃えることです。しかし、専門の業者では粉骨用の機械をレンタルしてくれるサービスがある場合もあります。

※粉骨を行う機材レンタルは、カノンでは行っておりません。(2024年12月現在)機材取り扱いに関する社内での講習を受けて、安全に機械を取り扱えるようトレーニングしたスタッフが専用の機械を使用するため、一般のご家族様に機材の貸し出しは安全を配慮して行っておりません。

さらに、レンタルサービスを提供する業者の中には、粉骨後の遺骨を適切に保管するためのアドバイスや、遺骨を扱う際のマナーについての情報を提供してくれるところもあります。これにより、遺骨を大切に扱いながら、適切な方法で供養することが可能になります。特に粉骨が初めての方や、手作業に不安を感じる方は、レンタルサービスを利用することで、安心して大切なペットの遺骨を扱うことができるでしょう。

一方で、レンタルの際は、機材の使用期限や返却方法、破損した場合の対応方法についても確認しておくことが重要です。これらの情報を事前にしっかりと確認しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。粉骨機械のレンタルは、専門業者のサポートを受けながら、安心して粉骨を行うための有効な手段となるでしょう。