『ペットの遺骨を庭に撒く（散骨）のは問題ないでしょうか。』
『ペットの遺骨を庭に埋めるのはあまり良くないと言われたんですけど…』
弊社に実際にお越しいただいたご家族様からのご相談です。
本記事では以下のペットの遺骨を庭に散骨する際の疑問や実際にあったお客様の体験など、
以下の内容に沿って解説いたします。
ペットの遺骨を庭に散骨してもいい？
『ペットの遺骨を庭に撒く（散骨）のは問題ないでしょうか。』
ご心配される方も多いようで、良くご質問を受けることがあります。
結論から言えば、
ペットの遺骨を庭に散骨しても問題ありません。
ペットの遺骨は墓地埋葬法における”遺骨”には該当しませんので、
ペットの遺骨を庭に埋めても法律違反になることはありません。
ペットちゃんの遺骨を安心して散骨・埋葬をしていただいて大丈夫です。
粉骨した遺骨であれば、すぐに自然に還っていくので
ご自身の私有地等のお庭であれば問題となる可能性も低いでしょう。
ただし遺骨の形状が残ったまま、
貸家のお庭や、持ち家であっても将来、引っ越す予定があるような場所に埋葬する場合は注意が必要です。
法律上の問題がないとしても、後のトラブルを避けるという点において自分の家の庭以外で埋葬するのは避けるのが無難です。
ペットの遺骨を庭に埋めるのは良くないって聞くけど本当？
『ペットの遺骨を庭に埋めるのは良くないって聞いたんですが。』
昔からそう言われているといった、迷信の中に聞くお話です。
今はほとんどの方がペットも火葬をしますが、昔は遺体をそのまま土葬していました。
遺体を家のそばの庭に埋めるのは衛生的にもあまり良くなかったのかもしれません。
ペットの遺体だけでなくペットの遺骨も同じように埋めると良くないと、そのまま伝わってしまったのかもしれません。
今であればペットロスという言葉があるように、
ペットを失った飼い主の悲しみや辛い心情は理解されつつありますが
“たかがペットくらいでメソメソして”
といった心無い言葉をかけられたという経験をされる方も実際にいらっしゃいます。
ペットに情が移った飼い主の悲しみが長く続かないように
家から離れた場所に遺骨を埋めることを推奨していたのかもしれません。
現代、地方にある実家のお墓の管理は深刻な問題になっています。
家の庭に遺骨を撒くというのはお参りをするという点においては合理的です。
自宅の庭にペットの遺骨を埋めて毎日手を合わせられる。
思い出を偲ぶ場所が近くにあるのはとても素敵なことだと思います。
まとめると、
“庭に遺骨を埋めるのは良くない”という話の根拠は特に見当たりません。
火葬したペットの遺骨であれば衛生面から見ても庭に埋めて問題はありません。
庭を掘り返したらペットの骨が出てきた話
タイトルの通りですが、よくある話です。
ペットが亡くなって火葬後の骨をお庭に埋めたのはいいんですが、
埋めた場所をすっかり忘れてしまい、数年後に庭をいじっていたら遺骨が出てきた。
という話をよく聞きます。
埋めたことを知らない方だったりしたら、かなりビックリしますよね。
もし庭に遺骨を埋めるなら、深く掘ってから埋めましょう。
推奨は１m以上です。
また、パウダーにしてから遺骨を撒けばそんな心配も無用です。
庭に散骨するなら粉骨した方が自然に早く還る
遺骨を埋めるとすぐに土に還ってくれると思っている方も多いのですが、
遺骨の形状を残したまま埋葬した場合は土に還るまで数年〜数十年かかります。
年数に幅があるのは、遺骨の量や形状、土壌の状態によって大きく異なるからです。
恐竜の化石なんかは、何世紀もずっと残ったままですよね。
つまり場合によっては土に還らないってことです。
早く自然に還すにはどうしたらいいかというと、
粉骨して、酸性の土壌に埋めてあげることです。
骨の成分はそのほとんどが、リン酸カルシウム（無機物質）でできています。
リン酸カルシウムは酸に溶ける性質があるので、酸性の土壌であれば比較的早く溶けて自然に還っていきます。
さらに、粉骨をしてから散骨すると、土壌にも馴染み易くなるので、もっとも早く自然に還してあげることができます。
骨は大地の栄養素となり植物を育んでくれることでしょう。
ペットの遺骨でも近隣には配慮して散骨しよう
ここまで遺骨を庭に散骨しても問題ないという話をしてきましたが、
注意しておくべきことが一点あります。
近隣に配慮して散骨を行うという点です。
自宅の庭なんだから問題ないでしょうとは言っても
遺骨を撒いたり近くの庭に埋葬したりということをあまり良く思わない人も中にはいらっしゃいます。
近隣から見えるような場所で散骨をしたり、
散骨の様子をSNSでむやみにアップしたりするとトラブルとなる可能性があります。
ご近所づきあいが良好であれば問題はありませんが、
庭への散骨は周囲に住む方が不快にならないように十分に配慮して行いましょう。