家族の一員として愛情いっぱいに、大切に育ててこられた愛犬、愛猫とのお別れ。
ご火葬後のご遺骨はご自身で散骨し、最後の最後まで面倒を見てあげたいと思われる方もいらっしゃるでしょう。
弊社ではペットの旅立ちを見送られた多くのご家族様とお話を交わす中で、皆さんがどんな場所に散骨をされるかについて様々なお話を拝聴させていただきました。
素敵なお話もたくさんあったので、ここでは、愛犬、愛猫のご火葬後のご遺骨の散骨場所についてご紹介させていただいます。
今後ペットのご遺骨を散骨される方にとって参考になるかと思います。
犬、猫の遺骨はどこに散骨しましたか?
“ペットの遺骨は散骨しても問題は無い?”と心配される方もいらっしゃるでしょう。
まず、ペットちゃんのご遺骨を散骨することは法的に問題はありません。
散骨される場所は人それぞれですが、ペットちゃんが生前大好きだった場所や、旅立ちにふさわしいイメージの場所に散骨する方もいらっしゃいます。
実際にお客様から聞いたペットの遺骨を散骨する場所についてご紹介いたします。
自宅の庭に散骨
自宅のお庭に散骨されている方が実際には一番多いようです。ペットちゃんが住み慣れたご自宅の庭に散骨することで、いつも身近に面影を感じられるという思いからも、お庭に墓標を立てたり、目印となる木のそばに散骨されたりしています。
「晩年はなかなか外に散歩に連れて行くことも難しくなって、いつもベランダからお庭を眺めていていたから。」
「ラベンダーの香りが好きだった猫で、匂いのするラベンダーの植木のそばに散骨してあげようと思っています。」
その子の思い出とともに、散骨の場所選びをされていてとても素敵ですよね。
好きだった散歩コースに少しづつ撒く
いつも通っていた散歩コース、大好きな公園や大好きな友達がいた場所。楽しかった日々を思い出しながら少しずつ。
一箇所ではなく、たくさんの思い出の場所に散骨される方もいます。
一緒に全国をたくさん旅したからと、遺骨を持って再び思い出の地をペットの散骨をしながら巡る人もいらっしゃいました。
海へ散骨
海に良く遊びに来ていたワンちゃんでした。自宅も海から近く、海岸の散歩コースは毎日の日課だったそうです。
海に散骨してあげれば、海に遊びに来るたびにまた会えるからとおっしゃっていました。
歌手の長渕剛さんの愛犬レオちゃんも遺骨を海へ散骨されています。いつもシェパード犬のレオちゃん達と散歩していたそうです。
一方で、猫ちゃんに多いのですが、水が嫌いな子だったからと、海洋散骨はしないとおっしゃっるかたもいます。
山林や野山へ散骨
大自然に還してあげるという思いから、山林や野山へペットの遺骨を散骨してあげる方もいます。
自然豊かな山では、木々の木漏れ日の隙間から鳥のさえずりが絶え間なく聞こえてきます。
山に登ったり、眺める毎にその子のことを思い出せるので、とっても良い供養の場所となるでしょう。
自分と一緒にいつか散骨してもらう
遺骨は自宅に保管しておくけれど、いつかは自分と一緒に散骨してもらおうと思っています。
そのためにペットの遺骨を粉骨だけしておくという方はかなり多くいらっしゃいます。
ペットの遺骨の場合、子供の代にまで遺骨を管理してもらうというわけにもいかないと思っている方がほとんどです。
だから、出来るだけ手間をかけないように、粉骨だけはしておき、自分が旅立つその時がきたら、遺言を残してペットの遺骨を一緒に散骨してもらうという方法をとるようです。
宗教上の理由から、まだまだペットと一緒に入れるお墓は少ないのが現状です。苦肉の策として、自分の棺にこっそりとペットの遺灰を一緒に入れてもらい火葬してもらうと話してくれた方もいらっしゃいました。
プランターに散骨
小さなハムスターやインコなどのペットの遺骨の場合、プランターに遺骨を埋めて土に還してあげる方もいます。
プランター葬と呼ばれることもあります。
そのまま遺体を土葬される方もいらっしゃいますが、土壌の環境によってはなかなか土に還らないということもあり、数年後に掘り起こしてもペットの遺体はそのまま残っているという場合が実際にあります。
火葬してあげて、そのあとで粉末状の遺骨を散骨してあげれば確実に土に還してあげることができるので安心です。
お寺の敷地に散骨(樹木葬)
いくつかのお寺では、敷地内に樹木葬などの散骨場(埋葬場)を設けているところもあります。
かねてからお付き合いのあるお寺さんにお願いして猫の遺骨を撒く予定をしている方がいらっしゃいました。
一ノ関(岩手)のお寺さんだと言っていましたが、そこでは人工物を一切使用しないので、墓標は立てないのだそうです。
しっかりと自身で散骨した場所を覚えておかないといけないとおっしゃっていました。
自然に還すことを念頭に、人工物をあえておかないという考え方もどこか自然で素敵な方法に感じました。
木々の茂る落ち着いた雰囲気の中で、お経をあげてもらえれば動物たちも安心して成仏してくれることでしょう。
ペットの遺骨を散骨する際のマナー
ペットちゃんの散骨に法的に規制はありませんが、マナーは守りましょう。
火葬後のご遺骨をできるだけ細かくパウダー状に「粉骨」することはマナーの一つとして大切です。
粉骨することで自然にも還り易くなりますし、骨が大きいと散骨付近へやって来た人に骨を目撃され、人骨と間違えられ通報されてしまうなどトラブルになりかねません。
他の方に不快感を与えないように配慮しましょう。
また、どこにでも散骨していいというわけではありません。
もしも、散骨をする場所が第三者の土地であれば必ずお声掛けして、承諾を得てから撒いてください。
山林や海などでも、場所によっては規制を受ける場合もございます。
トラブルを無くし、大切なペットちゃんの弔いのためにもマナーを守って行わなければなりません。
※散骨する際のマナーについてはこちらで詳しく説明しておりますのでご覧ください。
自分でペットの遺骨を海に散骨する場合
自らの手で海へ遺骨を還すことは、「海洋散骨」「自然葬」「海洋葬」などと呼ばれています。
誰にでもできて、とてもシンプルで思い出に残るご供養方法ではないでしょうか。
散骨をされたその日から全ての海が愛するペットちゃんのご供養の場所となります。
海での散骨といえば、船で沖まで行ってとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、
ペットちゃんのご遺骨の場合、他の人に配慮して行えば、沖合に出なくても散骨できます。
もちろん、散骨業者などに依頼をされ、船をチャーターするなどして人の散骨同様にご供養する方もいらっしゃいます。
いずれの場合も、海への散骨にはご遺骨を形が分からないよう粉骨(パウダー状)にすること、漁港、海水浴場などには散骨しないことなどモラルとマナーを守ることが必要です。
ご家族で相談して決めることが重要
家族の一員だった大事なペットちゃんのご供養、どこに散骨するのが一番良いだろうか…。
お庭、海、生前ペットちゃんがが大好きだった場所や、飼い主様がいつか眠る場所に一緒になどお悩みになられるかと思います。愛するペットだからこそ、自分本位で弔うことなく後悔のないように、ご家族で良く相談して決められることが一番大事です。