墓じまいと一緒に粉骨する【3つの理由と4つのメリット】

『墓じまいをする予定なのですが、複数の骨壷でも粉骨をお願いしてもらえますか。』

『お墓を管理しているのだけれど、粉骨したらどのくらいの量になりますか。』

お電話でこんな質問を受けることがあります。

本記事では墓じまいのために粉骨をした方の理由や粉骨することで得られるメリットについて解説いたします。

墓じまい後に粉骨をした皆さんの3つの理由

墓じまいをすると決めるからには、何かしらの理由があって皆さん粉骨をされています。 それぞれのご家族様のご事情や理由があるようですので詳しく解説していきます。

粉骨した理由1.とにかく小さくしたかった

粉骨をすると、遺骨の容積は3分の1ほどに減ります。

墓じまいをされたというご家族様にお話を伺うと、骨壷のままではとても自宅に保管しておくことはできないし、将来的には散骨しようと思っているという方が多いです。

 

散骨の時期は決めていなくても、とりあえず粉骨さえしておけば撒くための準備はできているし、自宅で遺骨を保管するにしても小さくしておけばしばらく置いておく分にも目立たずに保管できるというものでした。

 

関西では部分収骨のためお骨壷が3寸などのサイズで小さいことが多いですが、 全骨が収まっている骨壷は骨壷一つでも両手で抱えるほど大きいため、墓じまいした後の骨壷をそのまま自宅に置いておくというのはなかなか難しいことも多いようです。

粉骨した理由2.粉骨が一番費用が安かった

墓じまいには、お墓の土地面積にもよりますが、50万〜200万ほどの費用がかかると言われています。

お墓から取り出した遺骨を供養する方法としては手元供養、海洋散骨、樹木葬、納骨堂などいくつかの方法がありますが、出来るだけ安い費用で供養できるのであればありがたいですよね。

供養の仕方によってどれくれいの費用がかかるのか相場を挙げてみます。

 

 

・粉骨の相場 1〜4万

 

・海洋散骨の相場(個別散骨) 20〜30万

 

・樹木葬の相場 10〜50万

 

・納骨堂に収める相場 10〜100万

粉骨した理由3.他の人に迷惑をかけたくなかった

お墓を残しておくと、将来子供に負担がかかる。

 

あるいは、お墓をついでくれる人がいないといった理由で依頼される方もいます。

粉骨さえすれば、自宅に遺骨を置いて供養すること(手元供養)も可能ですし、将来的に散骨するにも困りません。

 

次の世代に負担を掛けないという選択は心ある配慮ですよね。

粉骨して得られる4つメリット

故人の遺骨をいじるなんてあまり良くないのではと、粉骨に対して抵抗のある方もいらっしゃいます。

墓じまいの後に、粉骨をせずにそのままにしておくのか、それとも粉骨する方が良いのでしょうか。

ここでは粉骨して得られるメリット4つを解説いたします。

コンパクトになる

全骨が収めらている遺骨は7寸や8寸というサイズの骨壷に収まっています。

重量は5−8kgぐらいになることもあり、ご遺骨の入った骨壷は男性一人が両手で抱える大きさです。

 

遺骨自体の重量は粉骨しても変わりませんが、容積は約1/3程度になります。

 

また、粉骨後は骨壷に納めずに軽い紙箱や桐箱などに収めることができますので、容器も含めるとかなり軽くなります。

関西などの部分収骨されたお骨壷であれば、粉骨すると手のひらサイズの小さな袋一つに収まってしまうほどコンパクトになります。

複数の骨壷をまとめることができる

お墓に複数のご先祖様の骨壷が眠っている場合、粉骨することでご遺骨をまとめて一つの骨壷に納めることができます。

散骨することができる

散骨をする際には遺骨の形状が分からないように、パウダー状にしてから撒く必要があります。

粉骨にさえしておけば、いつでも海洋散骨を行うことができます。

 

粉骨せずに遺骨を散骨してはいけない理由はこちらの記事をご覧ください。

*もし、散骨を自分で行う場合には、条例等による規制や注意点があるため十分に調べてから行なってください。

心理的に良い効果も

骨壷や遺骨を見ると悲しくなったり、暗い気持ちになることも。

亡くなった時のことを思い出すのはやはり辛いものです。

 

遺骨を粉骨すると、サラサラのパウダー状になります。

カノンでは無料の洋風の紙箱に納めて粉骨をお返しさせていただいておりますが、

 

 

滑らかなパウダーや明るい雰囲気の紙箱に収めることで

そのままの骨壷とは違った印象になります。

 

 

パウダーの優しい印象や、元気だった頃の思い出や楽しかった日々とともに遺骨を見ることができるという効果もあるようです。

墓じまいしたら粉骨する人がほとんど

実際に墓じまいした方のうち、多くの方が遺骨を粉骨されています。

 

特にお墓から出してきた骨壷は、大気中の水分を吸って骨壷の底に水が溜まっています

実際、大抵のお墓から出してきた骨壷は傾けると水が結構な量で出てきます。

さすがに、そのままの状態では衛生的にもよくありませんし、家で保管したりするのも正直難しいです。

 

海洋散骨の業者では海洋散骨をするということを前提に粉骨を行なっています。

また、カノン(弊社)では粉骨のみでも依頼を受けていいますので、

しっかり乾燥や殺菌をしてからご遺骨を衛生的に保管しておくことができます。

粉骨せずに永代供養するという方法も

粉骨や散骨をせずに、永代供養するという方法もあります。

個別に納骨できる永代の納骨堂や、合祀墓など種類によって費用も変わってきますので、

ご家族様の予算や希望によって検討するのも良いかもしれません。

粉骨は将来的に散骨をするという方にもオススメ

いつかは散骨しようと思っているけれど、祖父母や両親の骨を一緒に散骨してあげたい。

 

故人様のことが大好きだったペットちゃんの遺骨も一緒に散骨してあげたい。

 

費用がかかるのでもう少し時間をおいてから散骨したい。

 

など、様々な理由で墓じまい後に粉骨をされる方がいらっしゃいます。

粉骨にさえしてしまえば、色々な供養の仕方があり、いつでも散骨をすることができます。

将来的にまだどうしようか決めてはいないけれど粉骨だけはしておくというのも一つの手です。