粉骨するなんてかわいそうと言われて悩んでいるあなたへ

  • 2025年2月26日
  • 粉骨
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墓じまいや手元供養など、遺骨の供養の方法に関して、近年では様々な選択肢が増えています。その1つに「粉骨」という方法があり、遺骨を細かく砕いてパウダー状にすることを指します。これを行うことにより、自然葬や手元供養、都心の納骨堂へのお納めなど様々な供養の選択肢が増えます。

一方で「粉骨するなんてかわいそう」というお声も耳にします。なぜ、粉骨をかわいそうだと思うのでしょうか。

これから粉骨を選択しようとしている中で、他の方から「粉骨はかわいそう」と言われて悩んでいるかたもいらっしゃるかもしれません。この記事が、「粉骨はかわいそうなことなの?」と供養に対する意見の相違に悩むかたの解決の手助けになればと願っています。

粉骨とは何か?

粉骨とは、遺骨を細かい粉状に粉砕することを指します。一般的には火葬後の遺骨を粉骨することが多く、その目的は供養の一環として行われます。日本では、遺骨を家庭に保管する場合や、散骨を行う際に粉骨が選ばれることが増えています。

粉骨により遺骨は非常に細かくなり容積が減ることで保管の点においても扱いやすくなるため、供養の方法が多様化する現代において注目されています。遺骨を自宅に保管することは「手元供養」と言い、近年ではお墓を持たない選択をした遺族の方がよく選ばれる供養方法です。なぜお墓を持たないかと言うと、経済的な理由や墓守となる継承人がいないなどの理由からです。

ただ、遺骨をそのまま自宅で保管するとなると骨壺が大きく場所も取ることや、見た目がいかにもお骨壺であることでの心理的な抵抗や悲しみが心の負担となることもあり、コンパクトに扱いやすく手元供養するために粉骨を行われています。

これは人に限ったことではなく、ペットでも同様の傾向がみられます。ペット粉骨の目的は、人と同じように自然葬(海洋散骨や埋葬)を行うほか、ずっと手元で保管をしたい長期保存を目的とした粉骨のご依頼が大変多いです。

粉骨の道具や方法

粉骨は、主に専用の機械を使用して行われます。手作業での粉骨を行っている粉骨業者もあります。遺族が自宅で行う場合もありますが、心理的抵抗がある作業となりうるため、多くは専門業者に依頼されます。粉骨された遺骨は改めて小さな骨壷に収められるか、散骨のために水溶性の袋などに納めてられます。粉骨の目的は、遺骨を扱いやすくし、供養の選択肢を広げることにあります。

粉骨の方法は、まず遺骨の状態を確認することから始まります。自宅で供養していたご遺骨かどうかを確認します。墓地などに埋葬していたご遺骨の場合、大量の水分や土が混ざっていることが多く、一旦乾燥をしないと粉骨を行うことができません。

また、自宅供養をしていたお骨の場合も、火葬の際に棺に納めた副葬品の金具や棺の留め具、釘などが遺骨の中に混ざっていることもあるため、そのような遺骨ではない異物を取り除きます。

その後、遺骨を適切な大きさに粉砕します。専用の粉砕機を使用し、遺骨を非常に細かい粉状にします。海洋散骨のガイドラインでは、散骨をする場合の遺骨は直径2mm以下の粒子状にしてから散骨をする必要があります。粉砕をしてパウダー状になった遺骨は、袋や骨壺、箱などに納めます。

粉骨が「かわいそう」と感じる背景

弊社で故人様やペットちゃんの粉骨のお問い合わせを受けている際に、時折ご遺族様の中には「粉骨してしまったらかわいそうな気がして」「粉骨をすることは故人に対して失礼ではない?」「粉骨をしたらペットが痛がらない?」などのご質問を受けることがございます。

粉骨に対して「かわいそう」と感じる理由は、主に感情的な側面と文化的な背景にあります。

感情的な側面から見ると、遺骨を粉状にすることで、在りし日の面影が残る ご遺骨の形を無くしてしまうことに対しての寂しさ を感じることもあるかもしれません。遺骨を粉状にすること形が消え、亡くなった故人の存在がさらに薄れていってしまうように感じることもあるようです。

また、遺骨をそのまま保管することが慣例としてある文化において、粉骨をして保管するという方法は比較的新しい概念であり違和感を覚える人もいるのかと思います。

遺骨は畏敬の念をもって扱われるべきであり、骨に触る、ましてや砕くなんて罰当たりな行為だと思う方も中にはいらっしゃるようです。また、本記事では多くを書きませんが、粉骨そのものが違法じゃないか。そんな商売してていいのかと、突然お叱りの電話が来るとも稀にあります。気になった方は詳しくは以下にて解説しています。

散骨・粉骨に関する法律のまとめ

粉骨に対する捉えられ方は、文化的・社会的背景に大きな影響を受けています。日本では、伝統的に火葬後の遺骨を大切に保管する文化がありますが、近年では都市部の墓地不足や住環境の変化により、粉骨が注目されています。粉骨により遺骨を小さくして家庭で保管することや、自然に還す散骨が容易になるため、現代のライフスタイルに適応した供養方法として受け入れられつつあります。

近年では、その家の長男が家を守る「墓守」という文化も徐々に薄れ始めていると感じます。少子化もさることながら、家柄を重んじるよりも一個人を尊重して住む場所や職業、ライフスタイルなどを自由に選択することが求められているからです。

実際に弊社をご利用いただくご家族様の中でも「子供がいないのでお墓を管理する人が途絶えてしまうから、自分の代で先祖は自然葬にして無縁仏にしないようにします。」とおっしゃるかたや、「息子はいるけれど離れて暮らしていて家庭もあるから、今更地方に戻ってお墓の管理をしてとは言えない。」というご事情の方もたくさんいらっしゃいます。

お墓を持たない供養や自然葬を選ぶかたが増えた現代で、粉骨は遺族の方が故人様やペットちゃんを手元に置きやすい状態にすることで、いつまでもそばに感じることができたり、墓守の問題などから開放されてご供養ができるというニーズに合った新しい形として着実に広まっています。

  • 感情的な側面から見て「かわいそう」と感じることも
  • 粉骨に対する捉えられ方は、文化的・社会的背景に大きく影響されている

粉骨が「かわいそう」と感じる方の理由

実際に粉骨を検討されている方で、「粉骨がかわいそうだ」と感じる具体的なイメージを集めてみました。粉骨がかわいそうだと感じる方は、下記のようなケースに近いお気持ちもあるのではないでしょうか。

骨を砕く=ケガをしているようでかわいそう?

故人様やペットちゃんのご遺骨を、在りし日の存在と同じように大切に思う気持ちにはとても深い愛情が込められていると思います。だからこそ、粉骨をするとなると形を崩すことになり、人や動物が「怪我をする」と同じような物理的なイメージが湧くのかもしれません。

当然のことながら、遺骨には、痛みを感じるような神経や受容体は無く、遺骨自体が「痛い」と感じていることはありません。あくまで形を崩すことへのイメージで、「痛そう」と思われるのかもしれません。

遺骨は故人様やペットちゃんの生きた大切な証であり、在りし日の姿を遺骨に重ねて投影されるお気持ちからくる思いであると感じています。

新しい供養の仕方を選ぶことはかわいそう?

遺骨をそのままの状態でお墓に埋葬するというのが、多くの方でこれまで身の回りで行われてきた供養の形でした。時代背景やご遺族の事情、故人様の遺志などで粉骨を選ぶということは、「従来のやりかたから逸脱する」という人と変わったことをすることへの抵抗感から「”普通”の方法をとってもらえないなんてかわいそう」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

形を変えたら安らかに眠れなくてかわいそうなのでは?

「生前に長く病気で苦しんだのだから、遺骨になってからもいろいろといじったらかわいそう」とお考えになる方もいらっしゃるのではないでしょうか。大きなお骨壷のままで取り扱いに困ってしまうのではなく、遺されたご遺族の方がこれからも遺骨を大切に想い、安心して供養できる形に変えると言うことは、決して悪いことではありません。

遺骨の供養方法、最終的には誰に決定権がある?

粉骨に対するイメージや考え方、捉え方、必要性は本当に人それぞれだと言うことがわかります。

それでは、実際に遺骨を粉骨することになった時に、誰に最終決定権があるのでしょうか? これは、亡くなった家族が人なのかペットちゃんなのかによっても変わってきます。

故人様の場合

故人様の場合、遺骨の所有者は「祭祀承継者」となります。多くの場合は喪主のかたがなるのですが、場合によっては喪主とは異なるかたが祭祀承継者になることもあります。一般的には、火葬場から「火葬埋葬許可書」を貰う申請をする際の申請者=祭祀承継者と考えられます。

この、祭祀承継者に遺骨の取り扱いを最終決定する権利があります。しかしながら、各ご家庭には様々な事情があり、実際の遺骨の保管者が祭祀承継者と異なる場合もあるでしょう。祭祀承継者の同意があるもとで、遺骨を大切に想い、供養をしようとするかたの思いを周囲の方が理解して尊重することが、故人様のご供養においては大切なことかと思います。

ペットちゃんの場合

ペットちゃんの場合には、故人様のような祭祀承継者の制度はありません。基本的には家族の中で遺骨の供養の方法が決められます。その時に家族の意見が総意であればスムーズに供養が進められますが、家族の中でも意見が異なってしまうこともあります。例えば「遺骨をずっと自宅に置くのは良くない」「分骨はしないほうがいい」などのお考えがある方とない方が1つの家族の中でも交錯することもあります。

一番は、そのペットちゃんを大切に可愛がってきて思い入れがある方や、遺骨の存在を心の支えにしているかたがその後の供養の方法について自分の気持ちを周囲に理解してもらうことが大切かと思います。

お骨は誰に所有権があるの?祭祀承継者とは?

遺骨の供養で家族の意見が対立!? 粉骨をしたことで解決した例

大型犬のワンちゃんの大きな骨壺が家にあった、ある家族の話です。ほとんどの家族は「遺骨をずっと家に置いていたい」という気持ちで、お骨をリビングに置いていました。しかし、その家のおばあさんが愛犬の大きな骨壺を見るたびに「骨は家に置いておくもんじゃないよ」と話をしてくることで、他の家族は意見の相違に悩んでいました。

「もしかしてこれは、大きい骨壺が目に入るから気になってしまうのかも!」

と思った家族は、愛犬の遺骨を粉骨にすることにしました。6寸サイズ(直径約20cm)のお骨壷から、4寸(直径約12cm)にサイズダウンして、いかにもな見た目のお骨壷の覆い袋から、一見骨壺に見えない巾着型の骨壺カバーに変えたところ、おばあさんはその日以降ピタッと遺骨について言及することがなくなったそうです。

「早くお墓に入れて物理的に離れたほうが心が癒える」「お墓で眠らせてあげた方が成仏する」という考え方で、おばあさんなりにワンちゃんや悲しむ家族のことを思って言ってくれていたことなのかもしれませんが、やはり「遺骨」という見た目の大きな骨壺が目に入ると何かしら言いたくなってしまうのかもしれません。

おばあさんにとっては気にならない形になり、他の家族も、見た目も可愛くコンパクトになって、さらにカビの心配がなくまた一緒に過ごせると、粉骨をしての手元供養をしたことで家族の意見の対立を解決したという一例でした。

粉骨のメリットとデメリット

粉骨のメリットとしては、遺骨を扱いやすくし、供養の選択肢が広がる点が挙げられます。

一方、デメリットとしては、感情的な抵抗感を持つ家族・親族の理解を得る必要がある場合がある点です。故人様の粉骨を行う際には、遺骨の所有者となる「祭祀承継者」(多くの場合は喪主の方になりますが、そうでない場合もあります)の方の意思が必要です。ペットちゃんの場合には、今ある形がなくなってしまうことへの寂しさを感じられる方が多いように思いますが、故人様もペットちゃんも、これらの心理的な抵抗がなければ、粉骨を行うことはその後様々なご供養の方法を取ることができるため、メリットが大きいでしょう。

メリット:供養の新しい形

供養の新しい形粉骨の最大のメリットは、供養の選択肢が広がることです。遺骨を粉状にすることで、家庭での保管が簡単になり、散骨や自然に還すことが容易になります。また、遺骨を持ち運びやすくなるため、故人をより身近に感じることができます。これにより、供養の方法が多様化し、遺族の希望に応じた供養が可能となります。

故人様の遺骨の場合、通常8寸程度の、両手に抱えるくらいの大きなお骨壺は、粉骨を行うことで約4分の1くらいの大きさの箱に収まるサイズになります。質量は変わらないのでずっしりとした重みは残りますが、陶器の大きなお骨壺の重さの大きさがなくなり、すっきりとした見た目にもなります。

また、ペットちゃんの場合には弊社で取り扱っているペットの形をしたお骨壺「コッコリーノ」に納めたり、抱きしめられるぬいぐるみ型お骨入れ「おかえりペフモ」に納められる方もいらっしゃいます。いずれも、これからもずっと永くご自宅で供養をすることを見据えての粉骨です。在りし日の姿形に似たお骨壷に納めることで「かわいい形になって安心しました。これからも一緒にいられます。」と、笑顔でギュッとお骨を抱きしめて帰られる方もたくさんいらっしゃいます。

デメリット:心理的抵抗

粉骨への理解は広まりつつありますが、心理的に抵抗があるかたも一定の割合でいらっしゃいます。すべて粉骨をするのではなく、一部だけ形のまま残して粉骨をするという方もいらっしゃいます。今後もお骨を管理される方が扱いやすいような形で安心して大事にしてもらえたら、それが故人様にとっても1番の供養になるのではないでしょうか。

ペットちゃんの場合は、せっかくきれいに残った遺骨をパウダーにしてしまうということに寂しさを感じて、粉骨を始める前は涙される方もいらっしゃいますが、今後もカビの心配や天災でお骨壺が割れてしまうなどの心配がなく一緒にいられる形となることで、最後には笑顔で安心してくださいます。

粉骨後の供養方法 遺族にとって最良の選択≠かわいそう

粉骨後の供養方法にはさまざまな選択肢があります。主な方法として、墓に納める方法と散骨する方法があります。これらの方法は、遺族の希望や故人の遺志に基づいて選ばれることが一般的です。粉骨することで、供養の方法が多様化し、それぞれのライフスタイルや価値観に合った供養が可能となります。

手元供養をする

手元供養は、故人様やペットちゃんの遺骨を身近に保ちながら供養する方法で、近年注目を集めています。粉骨した遺骨を小さな容器やアクセサリーに収め、自宅の一角に置いたり、常に身につけたりすることで身近に感じることができます。手元供養の最大の利点は、時間や場所に縛られることなく、故人様やペットちゃんを思い出すことができる点です。特に、遠方に住んでいる場合や頻繁に墓参りが難しい場合には、非常に便利です。

手元供養の具体的な方法としては、遺骨を小さな骨壺やメモリアルジュエリーに収めることが一般的です。最近の手元供養用の骨壺はインテリアとしても美しく、リビングルームや寝室など、日常的に目にする場所に置くことができます。メモリアルジュエリーは、ペンダントやリング、ブレスレットなど、普段使いのアクセサリーとしてデザインされており、亡くなった家族を常に身近に感じることができます。

また、手元供養には心理的なメリットもあります。故人が身近にいると感じることで、悲しみや寂しさを和らげるグリーフケアの効果が期待されます。特に、亡くなった家族との別れが突然であった場合や強い絆があった場合には、この方法が心理的な支えとなることが多いです。さらに、手元供養は個々のライフスタイルや価値観、好みに合わせてカスタマイズできるため、非常に柔軟性が高い供養方法と言えるでしょう。

一方で、手元供養を選ぶ際には注意点もあります。まず、遺骨を自宅に保管することに対する他の家族の意見も聞きながら理解をしてもらうことが重要です。また、手元供養品の取り扱いや保管方法についても事前に確認しておく必要があります。特に、火災や地震などの災害時に遺骨が損傷しないよう、適切な保管場所を選ぶことが求められます。

手元供養は、亡くなった方やペットちゃんとのつながりを日常生活の中で感じたい方にとって非常に有効な方法です。家族や友人との相談を重ね、最適な方法を選ぶことが大切です。

遺骨を散骨する

散骨は、粉骨した遺骨を自然に還す方法として注目されています。この供養方法は、故人の遺志を尊重し、自然に還って行くことを願う家族に選ばれることが多いです。散骨にはいくつかの種類があり、海や山、空などに撒く方法が一般的です。

海洋散骨は特に人気があり、専用の船を利用して海に散骨するケースや、専門の業者が遺族に代わって散骨をするケースが多いです。海洋散骨を行う際は、環境に配慮して自然に還る素材の容器を使用することが推奨されています。

山や森林に散骨する方法もあります。これは自然の中での静かな供養を望む方に適しており、故人が好きだった場所や思い出の場所に撒くことができます。しかし、こちらも私有地や国有地での散骨には許可が必要な場合があるため、土地の所有者や管理者に事前に確認を取ることが必要です。

空中散骨は、飛行機やヘリコプターを利用して空から遺骨を撒く方法です。この方法は、広範囲にわたって遺骨を自然に還すことができ、壮大な光景が心に残るという特徴があります。ただし、空中散骨も航空法や地域の規制に従う必要があり、専門業者に依頼するのが一般的です。

散骨を行う際には、家族や親族と十分に話し合い、故人の遺志を尊重することが大切です。また、散骨の方法や場所を選ぶ際には、法的な規制や環境への配慮を忘れずに行うことが求められます。専門業者に相談することで、適切な手続きを踏むことが可能です。

散骨は、伝統的なお墓に納める供養とは異なり、自然と共生する新しい供養の形として増えつつあります。家族や故人の思いを大切にしながら、最適な供養方法を選ぶことで、心に残る供養を実現することができるでしょう。

お墓や納骨堂に納める

粉骨された遺骨をお墓や納骨堂に納めることは、従来の供養方法と同様に多くの人々に支持されています。これは、故人を敬い、永遠の安息を願うための伝統的な方法として広く受け入れられているからです。まず、粉骨された遺骨をお墓に納める場合、遺骨を専用の容器や袋に入れ、墓石の下に設けられた納骨室に収めます。この方法は、家族や親しい人々が訪れることができる場所を提供し、故人とのつながりを維持する手助けとなります。

また、納骨堂に収める場合も同様に、粉骨された遺骨を特定のスペースに安置します。納骨堂は、都市部に住む人々にとって特に便利であり、墓地よりもアクセスが良い場所にあることが多いです。納骨堂は、個人用のスペースや家族用のスペースが提供されており、遺族がいつでも訪れて祈りを捧げることができます。

この方法はまた、遺骨の管理がしやすいというメリットもあります。お墓や納骨堂は専門の管理者が維持・管理を行うため、遺族自身が日常的に遺骨の保存や管理を行う負担が軽減されます。専門業者や寺院の手を借りての維持管理になるので、自然葬をするよりも継続的に維持費として料金がかかる場合もありますので、専門施設に遺骨を預ける場合には初めにかかる費用や継続的にかかる費用を確認することが必要でしょう。

「かわいそう」という観点ではなく粉骨と向き合うために

粉骨は、遺骨を細かく砕くことで、その後の供養方法を多様にする選択肢を増やします。しかし、感情的な側面や文化的背景からくる「かわいそう」という抵抗感も理解する必要がある場合があります。

粉骨は「かわいそう」ではない

まず、粉骨が提供する利便性を認識しましょう。粉骨された遺骨は、小さな容器に収めやすくなり、手元供養や散骨がしやすくなります。これにより、故人やペットちゃんの遺骨を身近に感じながら供養することが可能です。例えば、手元供養では、遺骨を小さなアクセサリーに変えることで、いつでも故人を近くに感じることができます。

また、散骨という選択肢もあります。自然に還るという考え方から、海や山に散骨することで、故人が自然の一部となることを願う人々が増えています。これは、故人の遺志を尊重し、自然との一体感を感じる新しい供養の形です。

一方、粉骨に対する感情的な抵抗も無視できません。遺骨を砕く行為がケガを連想させたり、形を変えることで安らかに眠れないのではという不安があるかもしれません。これらの感情は自然なものであり、家族や関係者と十分に話し合い、理解を深めることが重要です。

最終的には、粉骨をするかどうかの決定は故人や家族の意志を尊重することが大切です。家族間で意見が対立する場合は、専門家の意見を参考にしながら話し合いを進めると良いでしょう。粉骨を通じて、故人やペットちゃんへの深い愛情と敬意を持ちながら、新しい供養の形を見つけることができるでしょう。